安全第一!バリアフリーのスロープに隠された工夫とは

高齢化社会の進行とともにますます重要になってきているのがバリアフリーという考え方です。
高齢者や身体に障害のある人にたいして壁を作らず自由な活動を促進するバリアフリーという考え方は
住宅から大型施設まで街のいたるところに取り入れられもはや常識と言っても過言ではないほどです。
バリアフリーの中でも基本中の基本といえるのがすべての人が利用できる「スロープ」です。
車いすなど階段を登るのが難しい人や足腰の弱った人でも
高いところに移動できるのがバリアフリーとしてのスロープのメリットですが、
安全や快適性を実現するにはただスロープを設置するだけでは足りません。
使う人のことを考えた工夫を加えることでスロープはさらに安全で使いやすくなります。
今回は、バリアフリーのスロープに導入されている工夫について紹介します。

勾配の工夫

バリアフリー目的で設置されるスロープで大きなポイントとなるのが勾配です。
車いすが利用するスロープの勾配が急すぎると安全に登ることができません。
場合によっては登り切れず逆走してしまうなど事故につながりかねないため
スロープの勾配にはさまざまなデータに基づいた工夫が施されています。
バリアフリースロープの勾配は12/1が目安とされています。12/1というのは高さ1に対し距離が12を意味します。
つまり1メートルの高さを登るスロープであれば12メートルの距離をとることで安全な移動が実現します。
勾配が12/1というのは角度に直すと5度以下です。
健常者にとっては非常になだらかに感じますが車いすとその介助者にとっては
これ以上の勾配では安全に登り降りできません。
実際のスロープはそれよりも低い13/1などの勾配で設置されることも多く利用者の安全性を重視して設計されています。
一般的な階段は1/1~2/1の勾配が多く見られます。
角度に直すと40~30度前後ですが階段の場合はスロープと違って勾配が緩すぎるとかえって上りにくくなってしまうため
ある程度の勾配を意図的設けて作られています。
階段の横に設置されたスロープは階段の何倍もの長さがあるのは
階段とスロープとの購買による登りやすさや安全性の違いが理由です。

安全の工夫

バリアフリーのスロープで最も危険なのが転落事故です。
健常者からすると角度の緩いスロープで転落? と思われるかもしれませんが足元に不安のある人にとっては
バリアフリー対策が施されたスロープにも大きな危険が潜んでいます。
特に危険がつきまとうのが車いすです。車いすにはブレーキが無いため
スロープ上で手を話してしまうと勢いをつけて下っていってしまいます。
コントロール状態で走りだしてしまうと最終的には転倒や衝突など重大な事故につながりません。
介助者がいても勾配が急だと重さに耐え切れず手を離してしまう可能性があるため注意が必要です。
高齢者にも危険がつきものです。雨の日の屋外ではスロープが非常に滑りやすくなります。
スリップで転倒し下に転がっていってしまえば骨折など大きな怪我をする可能性があります。
そのような遺体を防ぐためバリアフリーのスロープには滑り止めの工夫が施されています。
水に濡れても滑りにくい素材や表面に溝をつける、ゴムマットなど
摩擦の強い素材を貼り付けてスリップを防ぐなどの工夫が施されています。

疲労軽減の工夫

高齢者や障害者にとっては短い距離のスロープでもかなり疲れてしまうことがあります。
安全を守り無理なく利用してもらうためにさまざまな疲労軽減のための工夫が施されています。
距離の長いスロープの中には途中で休めるよう踊り場が設けられているものがあります。
休んで一息つくことで尋を回復しある程度距離のあるスロープを登れるようにする工夫です。
手すりは転倒防止と同時に疲労権限にも効果を発揮する工夫です。手すりにつかまると約半分の体力で移動できます。

まとめ

普段街で目にするバリアフリーのスロープには隠れた工夫がたくさん盛り込まれています。
スロープをつかうときはすべての人が安全に移動できるようアイデアを絞ってくれた人達に感謝しましょう。

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